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ドイツでフリーランス登録する方法|FreiberuflerとGewerbeの違い・税金・必要書類を解説

ドイツ在住で、

  • 個人として仕事を受けたい
  • 在宅で副業を始めたい
  • ブログやデザイン、翻訳、コンサルなどで収入を得たい
  • フリーランスとして独立したい

という方も多いのではないでしょうか?

ドイツでは、日本の「個人事業主」や「フリーランス」に近い働き方でも、税務上は大きく分けてFreiberuflerGewerbeに分かれます。

この違いを知らずに始めてしまうと、登録先や税金、必要な手続きが変わってくるため注意が必要です。

この記事では、これからドイツでフリーランス登録を検討している方向けに、

  • フリーランス登録の全体像
  • FreiberuflerとGewerbeの違い
  • 登録方法
  • 必要書類
  • 注意点(税金・ビザなど)

わかりやすく解説します。

※この記事は一般的な情報をまとめたものです。実際の税務判断は職種や状況によって異なるため、不安な場合は税理士または管轄のFinanzamtに確認することをおすすめします!

ドイツでフリーランスを始める前に知っておきたいこと

ドイツでフリーランスとして働く場合、

「とりあえず市役所に行けばOK」というわけではありません。

まず大事なのは、自分の仕事がFreiberuflerに当たるのか、それともGewerbeに当たるのかを確認することです。

Freiberuflerの場合は、基本的に市役所での営業登録は必要ありません。
Finanzamt(税務署)に「フリーランスとして活動します」と登録すればOKです。

一方、Gewerbeの場合は、まず自治体のGewerbeamtで営業登録をする必要があります。
その後、税務署に事業内容や売上見込みなどを登録します。

つまり、流れとしては以下のようになります。

▶︎Freiberuflerの場合:
Finanzamtに登録 → Steuernummerを受け取る → 請求書を発行できる

▶︎Gewerbeの場合:
Gewerbeamtで営業登録 → Finanzamtに税務登録 → Steuernummerを受け取る → 請求書を発行できる

また、Freiberuflerは原則として営業税の対象外ですが、Gewerbeの場合は利益が一定額を超えると営業税がかかる可能性があります。

このように、FreiberuflerとGewerbeでは、登録先・手続き・税金の扱いが少し変わってきます。

FreiberuflerとGewerbeの違い

Freiberuflerとは?

Freiberuflerは、ドイツの税法上の「自由業」に近い区分です。

代表的には、以下のような専門性の高い仕事が該当する可能性があります。

  • 医師
  • 弁護士
  • 税理士
  • 建築士
  • エンジニア
  • ジャーナリスト
  • 翻訳者
  • 教師・講師
  • アーティスト
  • デザイナー
  • ライター

ドイツの所得税法では、Freiberufliche Tätigkeitには、独立して行う科学的、芸術的、文筆的、教育的な職業などが含まれるとされています。

ただし、「自分ではFreiberuflerだと思う」だけでは確定しません。最終的には、仕事内容や資格、実際の業務内容を見て、Finanzamtが判断します。

たとえば、ライターや翻訳者はFreiberuflerとして認められやすい職種ですが、商品の販売、物販、オンラインショップ運営などは基本的にGewerbeに該当する可能性が高いです。

Gewerbeとは?

Gewerbeは、商業的な事業活動を行う場合の区分です。

たとえば、以下のような仕事はGewerbeになる可能性があります。

  • オンラインショップ運営
  • 物販
  • 飲食店
  • 美容・サロン系サービス
  • ハンドメイド商品の販売
  • 一般的な仲介業
  • マーケティング代行
  • 輸出入ビジネス
  • アフィリエイト収入が中心の事業

Gewerbeの場合は、まず自治体のGewerbeamtでGewerbeanmeldungを行います。登録後、税務署への情報連携や税務登録が進みます。Gewerbeでは、利益が一定額を超えるとGewerbesteuer、つまり営業税の対象になります。

Freelancer=Freiberuflerではない

ここは少し混乱しやすいポイントです。

英語の「Freelancer」は、会社員ではなく案件ごとに仕事を受ける働き方を意味します。

一方、ドイツ語の「Freiberufler」は、税務上の職業区分です。

つまり、フリーランスとして働いていても、税務上はFreiberuflerではなくGewerbeになることがあります。

たとえば、Webデザイナーやマーケター、コンサルタントなどは、仕事内容によってFreiberuflerとして認められる場合もあれば、Gewerbe扱いになる場合もあります。

迷う場合は、Finanzamtに仕事内容を具体的に説明して確認するのが安全です。

自分はFreiberufler?Gewerbe?判断の目安

ざっくり言うと、以下のように考えるとわかりやすいです。

内容Freiberuflerの可能性Gewerbeの可能性
翻訳・通訳高い低い
ライター高い低い
教師・講師高い低い
デザイナー内容による内容による
コンサルタント内容・資格による内容による
オンラインショップ低い高い
物販低い高い
アフィリエイト中心低め高め
飲食・美容・サロン低い高い

重要なのは、肩書きではなく「実際に何をして収入を得るか」です。

たとえば「ブログ運営」でも、記事執筆そのものが中心なのか、広告・アフィリエイト・商品販売が中心なのかで判断が変わる可能性があります。

ドイツでフリーランス登録する流れ

Freiberuflerの場合

Freiberuflerとして働く場合、基本的な流れはシンプルです。

1. 仕事内容を整理する

まずは、自分がどんな仕事で収入を得るのかを整理します。

たとえば、翻訳、ライター、講師、デザイン制作、コンサルティングなどです。

ポイントは、肩書きだけでなく「実際に何をするのか」を説明できるようにしておくことです。

たとえば「SNS関係の仕事です」だけだと少し曖昧なので、「企業向けにSNS投稿の文章作成や運用サポートを行います」のように説明できるとわかりやすいです。

2. ELSTERで税務登録する

Freiberuflerの場合、市役所での営業登録は基本的に必要ありません。その代わり、ELSTERというオンラインシステムを使って、税務署にフリーランス活動を登録します。

このときに提出するのが、Fragebogen zur steuerlichen Erfassungという税務登録用の質問票です。

簡単に言うと、

「これからこういう仕事を始めます」
「年間売上はこれくらいになりそうです」
「小規模事業者制度を使うかどうか」

などを税務署に伝えるためのフォームです。 

3. Steuernummerを受け取る

税務登録が完了すると、税務署からSteuernummerという税番号が届きます。

この番号は、フリーランスとして請求書を発行したり、確定申告をしたりするときに使います。

Steuernummerが届いたら、基本的にはフリーランスとして仕事を受け、請求書を発行できるようになります。 

Gewerbeの場合

Gewerbeの場合は、Freiberuflerよりも手続きが一つ増えます。

基本的な流れは以下です。

1. 自治体でGewerbeanmeldungをする

Gewerbeの場合、まずは住んでいる地域の自治体で営業登録をします。これをGewerbeanmeldungといいます。

たとえば、オンラインショップ、物販、飲食、美容系サービス、アフィリエイト中心の事業などは、Gewerbeに当てはまる可能性があります。

営業登録は、自治体によってオンライン、郵送、窓口など方法が異なります。 

2. 関係機関に情報が共有される

Gewerbeanmeldungをすると、その情報は税務署やIHKなどの関係機関にも共有されます。

そのため、営業登録をすると、後日IHKなどから連絡が来ることもあります。

最初は少し驚くかもしれませんが、Gewerbe登録をした場合はよくある流れです。 

3. ELSTERで税務登録も行う

Gewerbeの場合も、営業登録だけで終わりではありません。

Freiberuflerと同じように、ELSTERでFragebogen zur steuerlichen Erfassungを提出し、税務署に事業内容や売上見込みを登録します。

その後、税務署からSteuernummerが届きます。

つまり、Gewerbeの場合の流れは、

Gewerbeanmeldungをする

ELSTERで税務登録をする

Steuernummerを受け取る

請求書を発行できるようになる

というイメージです。

登録に必要なもの・書類

ドイツでフリーランス登録をするときは、いくつか情報や書類を準備しておく必要があります。

ただし、FreiberuflerとGewerbeで少し違いがあります。

Freiberuflerの場合

Freiberuflerの場合は、主に税務署に提出する情報を準備します。

具体的には、以下のようなものです。

  • パスポートまたは身分証明書
  • ドイツの住所
  • Steuer-ID
  • ELSTERアカウント
  • 仕事内容の説明
  • 年間売上の見込み
  • 年間利益の見込み
  • 銀行口座情報

難しく見えますが、簡単に言うと、

「誰が」
「どこに住んでいて」
「どんな仕事をして」
「どれくらいの売上になりそうか」

を税務署に伝えるための情報です。

たとえば、翻訳の仕事を始める場合は、「日本語と英語の翻訳サービスを個人で提供します」のように、仕事内容を説明できるようにしておくとスムーズです。

資格が必要な仕事や、専門性を説明した方がよい仕事の場合は、資格証明や職歴の説明を求められることもあります。

Gewerbeの場合

Gewerbeの場合は、税務署への登録に加えて、自治体での営業登録が必要になります。そのため、Freiberuflerよりも少し準備するものが増えます。

一般的には、以下のようなものが必要になることがあります。

  • パスポートまたは身分証明書
  • ドイツの住所
  • Steuer-ID
  • ELSTERアカウント
  • 仕事内容の説明
  • 年間売上・利益の見込み
  • 銀行口座情報
  • Gewerbeanmeldungの申請フォーム
  • 必要に応じてMeldebescheinigung
  • 必要に応じて滞在許可証
  • 事業内容によって必要な許可証

Gewerbeの場合は、まず自治体に対して、

「この地域でこういう事業を始めます」

と届け出るイメージです。

たとえば、オンラインショップ、物販、美容系サービス、飲食、ハンドメイド販売などは、Gewerbeに当てはまる可能性があります。

また、事業内容によっては追加の許可が必要になることもあります。

たとえば、飲食関係、手工業、特別な資格が必要なサービスなどは、通常の営業登録だけでは始められない場合があります。

滞在許可も必ず確認する

日本人など、EU・EEA・スイス以外の国籍の方は、滞在許可の内容も必ず確認しておきましょう。

ドイツに住んでいても、すべての滞在許可で自由にフリーランスや自営業ができるとは限りません。

たとえば、学生ビザ、就労ビザ、配偶者ビザなど、滞在許可の種類によって条件が違います。

在留カードに、

「Selbständige Tätigkeit erlaubt」
「Erwerbstätigkeit erlaubt」

のような記載があるかを確認しておくと安心です。

もし自分の滞在許可でフリーランス活動ができるかわからない場合は、事前にAusländerbehördeに確認することをおすすめします。

登録後に届くもの

登録後、FinanzamtからSteuernummerが郵送で届きます。

ここで少しややこしいのが、Steuer-IDとSteuernummerの違いです。

Steuer-IDは、個人に一生割り当てられる税務IDです。
一方、Steuernummerは、税務署が確定申告や事業収入の管理のために使う番号です。

フリーランスとして請求書を発行する場合は、通常このSteuernummerを使います。

また、EU圏内の取引がある場合や、企業間取引で必要な場合は、Umsatzsteuer-Identifikationsnummer、いわゆるVAT IDが必要になることもあります。

フリーランスが知っておくべき税金

フリーランスが知っておくべき税金は大きく4つあります。

所得税 / Einkommensteuer

フリーランスや個人事業の収入は、売上そのものではなく、売上から必要経費を差し引いた利益に対して課税されます。

たとえば、年間売上が20,000ユーロで、経費が5,000ユーロだった場合、利益は15,000ユーロです。

この利益が所得税の対象になります。

ドイツでは、フリーランスも基本的に毎年確定申告を行います。

売上税 / Umsatzsteuer

ドイツでは、多くの商品・サービスにUmsatzsteuer、つまり売上税がかかります。

通常税率は19%、一部の商品・サービスには7%が適用されます。

ただし、小規模事業者制度であるKleinunternehmerregelungを利用する場合、請求書にUmsatzsteuerを加算しません。

その代わり、事業で支払ったVATを控除することもできません。

小規模事業者制度 / Kleinunternehmerregelung

ドイツで小さく事業を始める人にとって重要なのが、Kleinunternehmerregelungです。

2025年以降、ドイツ国内の小規模事業者制度では、前年の総売上が25,000ユーロを超えず、当年の総売上が100,000ユーロを超えないことが基準になります。新規開業の場合も、25,000ユーロのラインを超えるかどうかが重要になります。

Kleinunternehmerregelungを使うメリットは、請求書や税務処理が比較的シンプルになることです。

一方で、デメリットもあります。

たとえば、パソコン、ソフトウェア、カメラ、事業用備品などに含まれるVATを控除できません。

B2C向けや副業レベルで始める場合は便利ですが、B2B取引が多い場合や経費が大きい場合は、通常課税を選んだ方が良いケースもあります。

営業税 / Gewerbesteuer

Gewerbesteuerは、Gewerbeにかかる営業税です。

Freiberuflerには原則としてGewerbesteuerはかかりません。

Gewerbeの場合でも、個人事業主や人的会社には24,500ユーロの控除枠があります。つまり、利益がこの金額を大きく超えてくるとGewerbesteuerを意識する必要があります。

ただし、Gewerbesteuerの実際の金額は自治体のHebesatzによって変わります。

注意点:ビザ・保険・Scheinselbstständigkeit

ドイツでフリーランスを始めるときは、税金以外にも注意点があります。

ビザ・滞在許可

EU・EEA・スイス以外の国籍の方は、自分の滞在許可で自営業やフリーランス活動が認められているかを必ず確認しましょう。

学生ビザ、配偶者ビザ、就労ビザなど、滞在許可の種類によって条件が異なります。

健康保険

ドイツでは、フリーランスでも健康保険への加入が必要です。

会社員からフリーランスになる場合、保険料の負担が大きく変わることがあります。

副業として小さく始める場合でも、健康保険会社に確認しておくと安心です。

Scheinselbstständigkeit

もう一つ注意したいのが、Scheinselbstständigkeit、つまり偽装自営業です。

形式上はフリーランスでも、実態として会社員のように働いている場合、問題になる可能性があります。

たとえば、以下のような働き方は注意が必要です。

  • 仕事の時間や場所を細かく指定されている
  • 1社だけに依存している
  • クライアントの社内メンバーのように働いている
  • 指揮命令を受けている
  • 自分で価格や働き方を決められない

ドイツ年金保険機構も、勤務時間の指定、指示への従属、特定の場所での勤務などをScheinselbstständigkeitの判断要素として挙げています。

まとめ

ドイツでフリーランスとして働く場合、まず大切なのは、自分の仕事がFreiberuflerに当たるのか、それともGewerbeに当たるのかを確認することです。

Freiberuflerであれば、基本的にはFinanzamtに直接登録します。
Gewerbeであれば、まずGewerbeamtでGewerbeanmeldungを行います。

また、登録後は所得税、売上税、場合によっては営業税についても理解しておく必要があります。

最初は難しく感じるかもしれませんが、流れを整理すると、やることは意外とシンプルです。

  1. 自分の仕事内容を整理する
  2. FreiberuflerかGewerbeか確認する
  3. ELSTERで税務登録する
  4. Steuernummerを受け取る
  5. 請求書・経費・確定申告の準備をする

副業や小さな仕事から始める場合でも、ドイツでは登録や税務処理をきちんとしておくことが大切です。

不安な場合は、Finanzamtや税理士に確認しながら進めていってみてくださいね!

また、ドイツでフリーランスを始める場合、税務登録だけでなく、銀行口座やお金の管理も早めに整えておくと安心です。

特に、仕事用とプライベート用のお金を分けておくと、あとから請求書管理や確定申告の準備がしやすくなります。

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