海外赴任や海外移住が決まったとき、「ゆうちょ銀行の口座は解約しないといけないの?」と気になる方も多いのではないでしょうか。
結論からいうと、海外転出して非居住者になった場合でも、利用目的など一定の条件を満たし、必要な手続きを行うことで、ゆうちょ銀行の口座を維持できる場合があります。
私自身、2024年に家族でドイツへ引っ越しをする際、ゆうちょ銀行の口座をどうするべきか悩みました。
私の場合は、日本国内でローンの支払いが残っていたため、ゆうちょ銀行に相談したうえで、日本に住む家族を代理人として登録し、口座を維持するための手続きを行いました。
実際に手続きをしてみると、
など、事前に知っておきたかったことがたくさんありました。
この記事では、ゆうちょ銀行の最新の公式情報と、私が実際に海外転出した際の体験をもとに、海外赴任・海外移住する方に向けて手続き方法を分かりやすくまとめます。
– 筆者のケース –
2024年に日本からドイツへ海外転出。日本国内でローンの支払いが残っていたため、ゆうちょ銀行へ相談し、日本在住の家族を代理人として登録して口座維持の手続きを行いました。
※実際の手続き内容や必要書類は、口座の利用目的や状況によって異なる場合があります。最新情報はゆうちょ銀行にもご確認ください。
海外赴任するとゆうちょ銀行口座は解約しないといけない?
海外転出後に非居住者となった場合でも、ゆうちょ銀行の口座を維持できるケースがあります。
そのため、「海外に住む=必ず口座を解約しなければならない」というわけではありません。
ゆうちょ銀行では、海外赴任後も給与振込などで口座を利用する目的がある場合、「非居住者の届け」を行ったうえで口座を保有することが可能とされています。
主なポイントは以下のとおりです。
私の場合は、日本国内でローンの支払いが残っていたため、事前に郵便局へ相談したうえで口座を維持し、日本在住の家族を代理人として登録しました。
非居住者になると、ゆうちょ銀行の取り扱いが一部変わる
海外赴任などによって非居住者になると、日本在住時とまったく同じ条件で利用できるわけではありません。
例えば、非居住者が関係する国内送金については通常の国内送金とは取り扱いが異なり、利用できる方法や手数料にも違いがあります。
また、口座の利用目的や取引内容によっては、ゆうちょ銀行から確認を求められる場合もあります。
そのため、海外転出後もゆうちょ銀行の口座を利用する予定がある方は、何も手続きをせずにそのままにするのではなく、出国前に郵便局またはゆうちょ銀行へ相談し、自分の場合に必要な手続きを確認しておくことをおすすめします。
なお、私が実際に行った「非居住者としての手続き」や「代理人登録の流れ」については、このあと詳しく紹介します。
非居住者×代理人
海外赴任などで非居住者となった場合、「日本に代理人を置かなければ口座を維持できないの?」と疑問に思う方も多いと思います。
ゆうちょ銀行の公式案内では、赴任後も給与振込などの利用目的がある場合、「非居住者の届け」を行うことで口座を保有することが可能とされています。
一方、非居住者となった後に払戻し・預け入れ・残高照会などの手続きを行う場合は、第三者へ委任することができます。また、継続的に第三者へ手続きをお願いする場合には「利用代理人」を設定することも可能です。
私の場合は、海外赴任後も日本国内のローン支払いが残っていたため、親を利用代理人として登録しました。
委任状が必要となる手続きについては、ゆうちょ銀行公式サイトでフォーマット・記載例が公開されています。
海外転出・海外移住後もゆうちょ口座を維持できるケース
海外赴任や海外移住によって非居住者になった場合、ゆうちょ銀行では可能な限り口座の解約が案内されています。
ただし、海外赴任後も給与の受け取りなど、ゆうちょ口座を引き続き利用する目的がある場合は、「非居住者の届け」を行ったうえで口座を維持できるケースがあります。
大まかな流れは以下のとおりです。
① 海外赴任後も口座を利用する目的がある
まず、海外転出後もゆうちょ銀行の口座を利用する必要があるかを確認します。
例えば、海外赴任後も給与の振込先として利用するなど、日本国内の口座を継続して利用する目的がある場合には、口座を保有できる場合があります。
私の場合は、日本国内でローンの支払いが残っていたため、海外転出後もゆうちょ銀行の口座を利用する必要がありました。
そのため、出国前に郵便局へ相談し、口座を維持するための手続きを行いました。
② 「非居住者の届け」を行う
海外赴任や海外移住によって非居住者となった場合、これまでと同じ状態のまま口座を利用し続けるのではなく、ゆうちょ銀行へ非居住者となったことを届け出る必要があります。
必要となる書類や手続きは状況によって異なる場合があるため、出国前に郵便局またはゆうちょ銀行へ相談しておくことをおすすめします。
私が実際に手続きをした際に必要だった書類や手順については、後ほど詳しく紹介します。
③ 必要に応じて委任・利用代理人を設定する
海外赴任後、払戻しや預け入れ、残高照会などの手続きを日本にいる家族などへ任せたい場合は、第三者へ手続きを委任することができます。
また、継続的に第三者へ手続きをお願いする場合には、「利用代理人」を設定する方法もあります。
口座を維持するために必ず代理人が必要というわけではありませんが、海外在住中の手続きを家族などにお願いしたい場合には検討しておくとよいでしょう。
私の場合は、海外赴任後も必要な手続きに対応できるよう、日本在住の家族を代理人として登録しました。
実際にどのように代理人を登録したのかについても、このあと私の体験をもとに詳しく紹介します。
ゆうちょ銀行の非居住者は代理人が必要?
結論からいうと、非居住者がゆうちょ銀行の口座を維持するために、必ず代理人を設定しなければならないわけではありません。
一方で、海外在住中に払戻しや預け入れ、残高照会などの手続きを日本にいる家族などへ任せる場合は、第三者に手続きを委任することができます。
また、今後も継続的にその人へ手続きをお願いする場合には、「利用代理人」として設定する方法があります。
私の場合は、海外赴任後も必要な手続きに対応できるよう、日本在住の家族を代理人として登録しました。
なお、代理人による手続きでは、手続き内容に応じて委任状や代理人の本人確認書類などが必要になる場合があります。最新の必要書類については、ゆうちょ銀行の公式サイトで確認することをおすすめします。
海外赴任前に行ったゆうちょ銀行の手続き【実体験】
上記判断ポイントを見て、「口座を残す」ということを選択した方は、以下のような手続きをする必要があります。
支店によっては対応が異なる可能性もありますが、以下私の体験談も交えて記載しておりますので、ぜひ参考にされてくださいね。
事前に郵便局へ電話&日本在住の代理人を決める

まずは、ゆうちょ銀行のこちらのQ&Aにも記載されていますので、手続きを進められる前に予めご確認ください。
今回私は、郵便局の窓口へ直接行く前に、まずは、
「海外に住む場合も、ゆうちょ銀行の継続保持ができるか?」
近くの店舗に電話で確認をしました。
ゆうちょ銀行では、海外への各種お知らせ方法等がないため、可能な限り口座の解約を案内しています。一方、赴任後も給与振込など口座を利用する目的がある場合は、「非居住者の届け」を行ったうえで口座を保有することが可能です。
私の場合は、日本国内のローン支払いが残っていたため、事前に郵便局へ相談したところ、継続保有の手続きを案内していただきました。
また、窓口の担当の方より、手続き当日は、
「日本在住の代理人と一緒に店舗に来た方が手続きがスムーズ」
と助言をいただきました。
代理人の印鑑があれば手続きはできるとのことでしたが、
今回時間も限られており、何度も郵便局に伺うのも手間になるので、代理人の親に郵便局に同行してもらいました。
郵便局の窓口に伺う前に、
上記を、進めておかれることをおすすめします。
必要書類を準備する
口座継続保持にあたっての代理人の申請ですが、
手続きには以下の持ち物が必要でした。
郵便局に一緒に行く日時が確定したら、
当日は忘れずに持参をするようにしてください。
窓口で非居住者・代理人の手続きをする
事前準備が完了したら、代理人と郵便局の窓口に行き、
海外転出をする旨と口座の継続保持をしたい旨を伝えてください。
上記要望を伝えると、
継続保持に必要な書類を窓口の方が準備してくださります。窓口の方の案内に添って手続きを進めてください。
また、代理人の申請時に
「代理人用のキャッシュカードの手続きも必要か?」
確認をされました。
代理人に確認し、もしカードの発行が必要であれば、
代理人用キャッシュカードの申請も行うようにしてください。
私は、もしもの時に口座を確認してもらえるよう、代理人用のキャッシュカードの申請も行いました。
代理人用のカードは、口座名義本人に後日書留郵便で届くため、
カードが届いたら本人から代理人へ直接渡すように言われました。
申請後、カードは「2週間後」に手元に届きました。
カードが届き次第、代理人へのカードの受け渡しを進めるようにしてくださいね。
海外転出時に実際に必要だったもの
以下私が手続きの際に必要だったものについてまとめました。
| 必要だったもの | 私の場合 |
|---|---|
| 通帳 | ○ |
| キャッシュカード | ○ |
| 代理人の印鑑 | ○ |
| 代理人の本人確認書類 | ○ |
| 海外転出を確認できる書類 | ○ |
| 海外の住所 | ○ |
| 居住地国の納税者番号 | ○ |
※上記は筆者が手続きした際の内容です。必要書類は状況等によって異なる可能性があるため、手続き前にゆうちょ銀行・郵便局へ確認してください。
今回の手続きで苦労したこと

今回の口座継続保持手続きですが、
「海外の居住先の住所が分かる書類」を用意するのにとても苦労しました。
引越し先の住所が記載されている辞令書を発行していただける会社であれば、辞令書を提出すれば良いのですが、今回私の場合、そのような辞令書の発行が無かったため、「日本から海外へ転出をする旨が記載されている住民票」を取り寄せる必要がありました。
しかし、この「海外へ転出をする旨が記載されている住民票」、
市役所で海外転出手続き後すぐ発行できると思っていましたが、
自分達が海外転出をする当日にならないと発行ができませんでした。
今回私達の場合は、引越し当日が祝日で市役所も閉まっており発行ができないということで、市役所の方にも相談をし、代理人の母に手伝ってもらい以下手続きを進めました。
同じような境遇の方は、参考にされてくださいね。
- 自分が海外転出をした後、「転出先の国名が書かれた住民票」を市役所に発行してほしい旨、代理人にお願いする
- 出国前に、上記書類発行にあたっての委任状を記載し、代理人に渡しておく
- 自分達が転出後、代理人に委任状持参の上、住民票の発行を進めてもらう
- 市役所で発行してもらった住民票を持って郵便局で口座継続保持の手続きをしてもらう
また、住民票取得後、代理人に郵便局にて手続きを進めてもらうにあたり、以下の持ち物や情報が必要でした。
渡航前に、忘れず準備を進めるようにされてください。
【必要なもの】
【必要な情報】
代理人にも協力してもらいながらの長い道のりでしたが、
上記の手続きを経て、何とか口座の継続保持は完了しました。
海外転出後のお金の移動はどうする?
海外赴任後もゆうちょ銀行の口座を維持できたとしても、海外生活では「日本から海外へどうお金を移すか」も考えておく必要があります。
なお、ゆうちょ銀行の国際送金サービスは2025年に大きく変更されました。
ゆうちょ銀行の国際送金は2025年にサービスが変更
これまで利用されていた郵便局・ゆうちょ銀行の窓口および、ゆうちょダイレクトによる国際送金は2025年8月末で終了しています。
現在は、2025年7月に開始されたWebサービス**「ゆうちょの国際送金」**を利用して、パソコンやスマートフォンから外国への送金を申し込むことができます。
「ゆうちょの国際送金」の主な内容は以下のとおりです。
国際送金の条件や利用方法は変更される可能性があるため、実際に送金する際はゆうちょ銀行の公式サイトで最新情報を確認してください。
私は海外送金にWiseも利用しています
海外生活を始めてから、私は日本とドイツの間のお金の移動に**Wise(ワイズ)**も利用しています。
ゆうちょ銀行とはサービスの仕組みが異なるため、送金額や目的に応じて選択肢を比較しておくと便利です。
Wiseを実際に使った感想や、口座開設・海外送金については別の記事で詳しくまとめています。
→ ドイツ在住でWiseを使った実体験・口座開設はこちら
ドイツでの生活用口座にはN26を利用
また、ドイツでの家賃や日常生活の支払いなどには、現地の銀行口座としてN26を利用しています。
私の場合は、
日本側の口座:ゆうちょ銀行
日本と海外のお金の移動:Wise
ドイツでの日常生活:N26
というように、それぞれ役割を分けて利用しています。
N26の口座開設方法については、実際に日本人の私が開設した流れを別の記事で紹介しています。
→ 日本人がドイツでN26を口座開設した方法はこちら
※上記は私自身の利用例です。利用できるサービスや手数料、条件などは変更される可能性があるため、各サービスの最新情報をご確認ください。
まとめ|海外転出後は「役割分担」がカギ
実際、海外赴任や移住のタイミングでは、日本の銀行口座の扱いで悩む方が非常に多いです。
海外赴任後も利用目的がある場合は、非居住者の届けを行ったうえでゆうちょ口座を維持できるケースがあります。私の場合はローン支払いが残っていたため、家族を代理人として登録して口座を維持しました。海外赴任が決まったら、出国前に自分のケースをゆうちょ銀行へ確認しておくことをおすすめします。
同じようにこれから海外駐在・移住を控えている方の参考になれば嬉しいです。
また、海外転出後の銀行の使い分け(ゆうちょ・Wise・N26)については、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひこちらも参考にしてくださいね。


